【世界遺産】 ベネチアとその潟

2024年5月にベネチアに行きましたのでご紹介いたします。
ベネチアとその潟は1987年に「Venice and its Lagoon」として世界遺産に登録されました。これは、人と自然が長い時間をかけて築き上げた文化的景観として評価されたためです。潟の成り立ちは氷河期後の海面上昇によりアドリア海が内陸に浸水し、川からの堆積物や沿岸流で砂州が形成される自然のプロセスによっておよそ6000~7000年前に生まれました。その後、中世には水路管理や干拓による人工的な手が加わり今日の118の島々から成る都市構造が整えられました。 ベネチア本体は西ローマ帝国崩壊後、北方からの侵入者(フン人やロンバルド族など)を避けるために河口や内陸から逃れた人々が住み始めたことが起源とされます。次第に都市化が進み運河と橋が張り巡らされ、13〜18世紀にはゴシック・ルネサンス建築の宮殿や教会が建設され商業共和国として発展しました。世界遺産登録ではサン・マルコ大聖堂やドゥカーレ宮殿、リアルト橋など壮麗な建築群と複雑ながらも秩序ある水の都市設計、さらに漁業や湿地保全、干拓など人と自然の相互作用による潟の機能性が高く評価されました。
現在、ベネチアは“水の都”として世界的に知られその美しさと歴史的価値によって多くの観光客を惹きつけています。ただし、高潮・地盤沈下・観光圧力といった課題にも直面しており、文化と環境の保全のために管理が続けられています。
この旅行の記事一覧はこちらからご覧いただけます。イタリア・バチカン市国・サンマリノ(2024年5月1日~5月6日)

ベネチアとその潟 1日目(ベネチア本島とムラーノ島)
  • 15:30 PM
    ホテル出発
  • 15:55 PM
    Venezia Santa Lucia駅到着
  • 16:09 PM
    Venezia Santa Lucia駅前Ferrovia船乗り場より3番船に乗船
  • 16:40 PM
    Murano Museo船乗り場到着
  • 16:42 PM
    Gelato di Naturaジェラート屋入店
  • 16:51 PM
    Murano gelateriaジェラート屋入店
  • 17:15 PM
    Duomo Basilica dei Santi Maria e Donato(サンティ・マリア・エ・ドナート教会)
  • 17:55 PM
    Bar Gelateria al Ponteジェラート屋入店
  • 18:18 PM
    Ponte Longo Lino Toffolo橋
  • 18:30 PM
    Chiesa di San Pietro Martire(サン・ピエトロ・マルティーレ教会)
  • 18:50 PM
    Approdo pizzeria ristoranteピザ屋入店
  • 20:04 PM
    Murano Faro乗り場からベネチア本島に戻る

  • 20:30PM
    ベネチア本島のF.te Nove船乗り場到着
  • 21;10 PM
    Venezia Santa Lucia駅到着

ベネチアとその潟 1日目(2024年5月4日)

ベネチアの島への移動

Venezia Santa Lucia行き電車に乗車しました。

ベネチア本島に向かうリベルタ橋からの景色です。

15:55 PM
Venezia Santa Lucia駅に到着です。

いろいろな列車の並びが見れます。

Venezia Santa Lucia駅前です。

駅前の運河はこのような景色です。期待通りの景色に息をのみます。

Murano(ムラーノ)島への移動

Venezia Santa Lucia駅前のFerrovia船乗り場のD乗り場からベネチアの島の北東にある島、Murano(ムラーノ)へ向かいます。ここから3番の船に乗るとMuranoへ乗り換えなしで行けます。
こちらのホームぺージで最新の路線図や時刻表を参照する事ができます。
路線図は地図の画像下のConsult Mapsを押下、次画面でScaria PDFというボタンを押下すると閲覧できます。
船乗り場には写真のような時刻表の表示もありますが、ホームぺージでも閲覧できますので事前の計画の際に重宝します。ホームページ内のWaterborne Service Timetableというボタンを押下、乗船する路線を選択して時刻表を閲覧します。循環路線ではない上り・下りがそれぞれある路線は一番右側にあるPDFロゴのボタンを押下すると1枚にまとまっていて見やすいです。
ACTV社のバス、船乗り放題切符をベネチア空港で購入してありますので、都度切符を購入する事無く乗船できるのは便利です。私の購入した場所はこちらの記事でご紹介いたしております。

16:09 PM
3番の船に乗船します。

ベネチア本島の景色を見ながら進みます。

ムラーノの中に入ってきました。

16:40 PM
Murano Museo船乗り場に到着しました。

この島にもNasone(ナソーネ)と言われる水飲み場があります。

Gelato di Natura

16:42 PM
Gelato di Naturaという店でジェラートを食べましたので別の記事でご紹介いたします。

Murano gelateria

16:51 PM
続いてMurano gelateriaという店でジェラートを食べましたので別の記事でご紹介いたします。

Duomo Basilica dei Santi Maria e Donato(サンティ・マリア・エ・ドナート教会)

17:15 PM
Duomo Basilica dei Santi Maria e Donato(サンティ・マリア・エ・ドナート教会)に到着しました。ここは、ヴェネツィア最古級の教会のひとつで7世紀頃に創建され、9世紀および12世紀に再建され、現存する建物は1140年頃完成したものです。

施設名Duomo Basilica dei Santi Maria e Donato
住所Campo S. Donato, 11, 30141 Venezia VE
電話+39041739056
ホームページhttp://www.sandonatomurano.it/
営業時間月~土 9:00~17:00
日 11:30~16:00

サンティ・マリア・エ・ドナート教会前にあるPonte San Donatoという橋です。

Ponte San Martinoという橋からサンティ・マリア・エ・ドナート教会前とPonte San Donato橋を眺めます。

左の写真にFaro di Murano灯台が見えます。

1291年、ベネチア共和国政府は、火災の危険性と秘密保持のために、ヴェネツィア市内のガラス工房をすべてムラーノ島へ移転させました。中世・ルネサンス期のベネチアの建物は、木材を多く使用しており、特に屋根や床、内装などに木材が集中していました。街全体が水に囲まれた水上都市でありながら、都市の密集度が高く、一度火が出ると一気に延焼する構造でした。ガラス製造には高温の炉(約1000〜1400°C)が必要で昼夜問わず火を絶やすことができません。当時の技術では、炉の温度管理や煙突設備の安全性も十分ではなく、火花・熱気・誤操作による失火のリスクが非常に高かったのです。当時のベネチアは貿易・造船・銀行業など、海洋共和国として莫大な富を築いていました。火災で街の一部が焼失すれば、経済と統治機構に大打撃となり、ライバル都市(ジェノバ、ピサ、ミラノなど)に対する競争力も失います。これによりムラーノは、ガラス生産の中心地となり、ガラス職人たちは技術や製法を厳しく秘密にしながら、数百年にわたって独自の技法を発展させていきました。

Bar Gelateria al Ponte

17:55 PM
Bar Gelateria al Ponteという店でジェラートを食べましたので別の記事でご紹介いたします。

18:18 PM
Ponte Longo Lino Toffolo橋です。Lino Toffolo(リーノ・トッフォロ)は、ムラーノ出身のイタリア人俳優・歌手であり、ガラス職人の家系に生まれ育った芸術家でした(1934–2016)。2017年以降、この橋は彼にちなんで命名されています。

Clock Towerです。

サン・ピエトロ・マルティーレ教会付近です。

Chiesa di San Pietro Martire(サン・ピエトロ・マルティーレ教会)

18:30 PM
Chiesa di San Pietro Martire(サン・ピエトロ・マルティーレ教会)です。1348年にドミニコ会の修道院とともに創建され、当初は 聖ヨハネ(San Giovanni Battista) に捧げられました。建設はマルコ・ミケル家の寄進によるもので、1417年9月17日に正式に祝別されました。1474年に大火により焼失。火災の原因は明らかではなく、教会内部の火やロウソクの不始末などと推測されます 。その後、再建され、1511年にルネサンス様式で現在の姿となりました。1797年共和国崩壊後、ナポレオン支配により宗教施設の抑圧を受け、1806年に閉鎖・作品の没収。その後、1813年に再開して地域の主教会(パロッキア)となりました。

施設名Chiesa di San Pietro Martire
住所Campiello Marco Michieli, 5, 30141 Venezia VE
電話+39041739704
ホームページhttp://www.sandonatomurano.it/

18:30 PM
Ponte di Mezo橋を眺めながらRio del vetrai(べトライ川)沿いを歩きます。

Approdo pizzeria ristorante

18:50 PM
Approdo pizzeria ristoranteというレストランで夕食を食べましたので別の記事でご紹介いたします。

ベネチア本島への移動

20:04 PM
Faro di Murano灯台の下にある船乗り場からベネチア本島へ戻ります。この時間はVenezia Santa Lucia駅前まで直行する船は終了しており、4.1番の船でベネチア本島のF.te Noveというところまで行きます。そこから5.2に乗り換えるとVenezia Santa Lucia駅前のFerroviaまで行く事ができます。

ベネチアの5月は20時台でも夕日が見えます。

20:30PM
F.te Noveに到着しました。

F.te Nove船乗り場のすぐ横にあるPonte Donà橋の景色です。この橋の名前の由来はドナ家(Donà family)だそうです。ベネチア共和国の歴史に名を残す名門貴族の一族であり、中世からルネサンス期にかけて、政治、外交、軍事、経済の各分野で重要な役割を果たしました。

引続き船を乗り換えてVenezia Santa Lucia駅前のFerroviaに向かいます。

21;10 PM
Venezia Santa Lucia駅からVenice Mestre駅まで1駅電車に乗りたかったのですが、電光掲示板を見るとキャンセルだらけです。悪天候でもなく理由が分かりませんが、仕方なく近隣のバスタ-ミナルからホテル付近のバス停までバスで帰りました。2番と7E番のバスが頻繁に出発しており不便なく帰って来ました。今回のホテル選定は良かったと自負しております。ホテルについてはこちらの記事でご紹介いたします。バスターミナルの場所は下記の地図の場所です。

ベネチアとその潟 2日目(2024年5月5日)

ベネチアとその潟 2日目(ベネチア本島とブラーノ島)
  • 8:50 AM
    ホテル出発
  • 9:05 AM
    Veneziaバスターミナル到着
  • 9:23 AM 
    Ferrovia船乗り場から1番の船に乗船
  • 9:37 AM
    Rialto Mercato船乗り場に到着
  • 9:45 AM
    Ponte di Rialto(リアルト橋)
  • 9:58 AM
    Mister Sandwich(ジェラート屋)
  • 10:02 AM
    Rialto船乗り場から2番の船に乗船
  • 10:14 AM
    Accademia船乗り場
  • 10:42 AM
    San Marco (Vallaresso) 船乗り場
  • 10:52 AM
    Piazza San Marco(サンマルコ広場)
  • 11:15 AM
    Campanile di San Marco(鐘楼)
  • 12:08 PM
    I Tre Mercanti(ティラミス屋)
  • 12:43 PM
    Venchi(アイス屋)
  • 14:20 PM
    Brano島到着
  • 14:50 PM
    Casa Bepi(カーザ・ベピ)
  • 16:49 PM
    Ferroviaに到着

ホテルからベネチア本島への移動

9:05 AM
ホテル付近のバス停からベネチア本島のVeneziaバスターミナルまで直行バスで12分程度の乗車時間、9:05にはVeneziaバスターミナルに到着しました。写真はバスターミナル付近のPonte della Costituzione(コスティトゥツィオーネ橋)からの光景です。

9:23 AM
Ferrovia船乗り場から1番の船に乗船、Rialto Mercatoまで行きます。5駅、14分の乗船です。

9:37 AM
Rialto Mercato船乗り場に到着です。

Chiesa di San Giacomo di Rialto(サン ジャコモ ディ リアルト教会)前の広場です。露店が出ていて楽し気な雰囲気です。

Ponte di Rialto(リアルト橋)

9:45 AM
Ponte di Rialto(リアルト橋)に来ました。このは、イタリア・ヴェネチアのカナル・グランデにかかる最も古い橋で、街を象徴する建築物の一つです。初期の橋は12世紀に木造で建てられましたが、たびたび火災や崩壊に見舞われ、現在の石造アーチ橋は1591年、建築家アントニオ・ダ・ポンテの設計により完成しました。当時としては画期的な一径間アーチ構造で、技術的挑戦でもありました。橋の両側には商店が並び、歴史的に商業の中心地であるリアルト地区と深く関わっています。

Mister Sandwich

9:58 AM
Mister Sandwichでジェラートを食べましたので別の記事でご紹介いたします。

Ponte dell’Accademia(アッカデーミア橋)

10:02 AM
アッカデーミア橋に向かいます。Rialto船乗り場から2番の船でAccademia船乗り場まで乗船します。3駅、12分の乗船です。

10:14 AM
Accademia船乗り場に到着です。Ponte dell’Accademia(アッカデーミア橋)はこの船乗り場のすぐ目の前にあります。アッカデーミア橋(Ponte dell’Accademia)は、ヴェネチアのカナル・グランデにかかる4つの橋のうちの一つで、サン・マルコ地区とドーゼドゥーロ地区を結んでいます。もともとは1854年に鉄製の橋として建設されましたが、老朽化と景観への配慮から1933年に現在の木造アーチ橋に建て替えられました。設計はエウジェニオ・ミオッツィ氏によるもので、一時的な構造の予定でしたが、美しいデザインと機能性からそのまま使われ続けています。橋の名は近くにある有名な美術館「アッカデーミア・ギャラリー」に由来しています。

よくべネチアを紹介するホームページやポスターで見かけるショットです。この橋から撮影されています。

Piazza San Marco(サンマルコ広場)

Piazza San Marco(サンマルコ広場)へ向かうためにAccademia船乗り場から2番の船で1駅、San Marco (Vallaresso) 船乗り場へ向かいます。写真はSan Marco (Vallaresso) 船乗り場です。10:42 AMに到着しました。

左はGiardini Reali(王の庭園)です。ゴンドラ乗り場がベネチアを感じさせます。

10:52 AM
Piazza San Marco(サンマルコ広場)に到着しました。

Basilica di San Marco(サン・マルコ寺院)です。9世紀に聖マルコの遺骸を安置するために建てられ、現在の姿は11世紀に完成しました。金色のモザイクや宝物庫が有名で、「黄金の教会」とも称されます。

Campanile di San Marco(鐘楼)

Campanile di San Marco(鐘楼)の入場料はEUR 10(2024年5月当時約 JPY 1,664)でした。

11:15 AM
Campanile di San Marco(鐘楼)に到着、入場券を購入して上部に上がります。鐘楼は高さ約98メートルです。元は9世紀に建てられ、現在の姿は16世紀に整えられましたが、1902年に倒壊し1912年に再建されたものです。

施設名称Campanile di San Marco(鐘楼)
住所P.za San Marco, 30124 Venezia VE
電話+390412708311
ホームページhttp://www.basilicasanmarco.it/basilica/campanile/
営業時間9:30~20:45

I Tre Mercanti

12:08 PM
I Tre Mercantiでティラミスを食べてみましたので別の記事でご紹介いたします。

Venchi

12:43 PM
Venchiでアイスを食べてみましたので別の記事でご紹介いたします。

Brano(ブラーノ)島

13:11 PM
Ponte del Sepolcro橋を渡ります。この近くのS. Marco-San Zaccaria “A”船乗り場からBurano “C行きの14番の船が1時間に1本程度運行されています。

14:20 PM
Brano島に到着しました。

ブラーノ島の家がカラフルなのは霧の多い気候と漁師の生活に関係しています。かつてこの島では濃い霧が頻繁に発生し、漁師たちが自分の家を見つけやすくするために家を鮮やかな色で塗り分けたのが始まりとされています。さらに家の色は市の許可制で、住民が外壁の色を変更するには地元自治体に申請して認可を受ける必要があります。この制度により現在でも色彩の調和が保たれた美しい街並みが維持されており、観光名所としても高く評価されています。

この日の夜のフライトですのであまり時間がありません。1時間くらいを目途にBrano島から退散します。

14:50 PM
右の写真のCasa Bepi(カーザ・ベピ)は、そのカラフルでユニークな外観で有名です。「ベピ・ス・トイ(おもちゃのベピ)」という愛称で知られる地元の男性が住んでいた家で、彼は独学で壁をペイントし創造的な装飾を施しました。現在は故人となっていますが、彼の個性と芸術性を表すこの家はブラーノ島の文化的な象徴の一つとなり、観光客の写真スポットとしても人気です。

帰りはBranoから12番の船でF.te Noveまで戻り、5.1番の船に乗り継ぎ、Veneziaバスターミナルに近いFerroviaまで帰ります。

16:49 PM
Ferroviaに到着しました。この付近のバスターミナルからホテルに戻り、預けている荷物を引き取り空港へ向かいます。

おわりに

ベネチア、ムラーノ島、ブラーノ島の街歩きについて私の主観でのリピート評価4段階は以下の通りです。

こちら→★★★素晴らしい、リピート確定
★★☆また来たい
★☆☆普通
☆☆☆微妙
タイトルとURLをコピーしました