2024年1月にジャカルタに行った際に日本製の電車に乗ってきました。
インドネシアは2000年代から日本の中古鉄道車両の輸入をしてきました。20年以上ジャカルタの通勤輸送を支えてきました。日本の中古鉄道車両を多数輸入した背景には以下があげられます。
・低コスト:KAI(インドネシア国鉄)によれば、INKAで160両新造すると約400億円、日本から中古車両10編成(100両)輸入すると約15億円で圧倒的に中古輸入の方が安価でした。
・軌間が同じ:日本の在来線とインドネシアの鉄道はどちらも1067mmの狭軌です。改造無しで転用できるため導入が容易でした。
・国産能力不足:インドネシア国営車両メーカーINKAは当時、大量の通勤車両を短期間で製造する能力がなく急増する需要に対応できませんでした。そのためKAIは日本の中古車両を選択したと言われています。
しかし、2023年以降インドネシア政府は国営車両メーカーINKAで製造可能として中古鉄道車両の輸入を認めず、国産化を優先する方針を打ち出しました。インドネシア政府が日本の中古通勤電車の輸入を禁止した背景は、主に「国産化推進」と「政治的駆け引き」によるもので、中国の圧力が直接的な理由と確認できる証拠はありません。ただし中国が支援する高速鉄道事業とのタイミングが重なり、政治的影響を疑う声はあります。2023年6月22日、ルフット・パンジャイタン海事投資調整大臣が日本からの中古通勤型車両導入禁止を正式発表。この場は偶然にも、中国支援のジャカルタ―バンドン高速鉄道の試運転直後であり、政治的な匂いが強いと報じられています。
また実務的には、日本の中古車両は老朽化が進み、部品供給が難しくなってきたため、維持コストが増大していました。また、インドネシア政府は鉄道車両産業を育成し、国産メーカーINKAの受注を拡大する狙いがあります。中古車両輸入は安価ですが、政府は長期的に国産化による産業振興を優先しました。
2020年11月にインドネシアに到着した元JR東日本の車両が最後の輸入となったとのことで、部品が尽きてメンテナンスできなくなったら長らくジャカルタの通勤輸送を支えてきた日本の車両も終焉を迎えることになりそうです。
今回、乗車した電車をご紹介いたします。
この旅行の記事一覧はこちらからご覧いただけます。インドネシア・シンガポール(2024年1月26日~1月28日)
目次
Sudirman → Tanjung Barat(2024年1月26日)

宿泊したホテルの最寄り駅、SudirmanからTanjung Baratまで電車で移動、イオンモールに行きました。Cikarang線でSudirman駅から1駅、Manggarai駅へ移動します。2024年1月26日19:13にManggarai駅で撮影した写真ですが、日本のラッシュ時のような様相です。
乗車した車両は元JR東日本 モハ205-227です。1989年に東急車両で製造され、2014年の廃車まで横浜線一筋で活躍した車両です。

Manggarai駅のBogor線のホームです。19時台は非常に乗客が多いです。

Manggarai駅からBogor線でTanjung Barat駅まで乗車します。携帯で撮影したので車両がぼけてしまいましたが千代田線で使用されていた元東京メトロ6000系です。

東京メトロ6000系の6929です。1984年、日本車輌で製造され、2017年の廃車まで千代田線一筋で活躍した車両です。
1985年3月14日ダイヤ改正で朝ラッシュ時の運転間隔を3分から2分30秒間隔にするために、1984~1985年に製造された5次量産車です。

つり革に日本語が残っています。

Tanjung Barat駅で下車、205系電車を見送ります。車番は不明ですが側面ドアの窓が小さいので国鉄時代に山手線用に製造された205系前期型です。
Tanjung Barat → Sudirman(2024年1月26日)

イオンモールからホテルの最寄り駅Sudirmanへ帰ります。22時のTanjung Barat駅はだいぶ乗客が減ってきて空いてます。

反対側のホームに元東急8500系の8604編成が来ました。1975年製造、2006年廃車の編成です。ジャカルタでの活躍も長い年月が経ちました。爆音モーターと言われますが、軽やかな良い音がします。

Tanjung BaratからManggaraiへのBogor線は元JR東日本 モハ204-5033に乗車しました。1988年 東急車両で製造、2004年まで山手電車区に配置、山手線で活躍、その後武蔵野線用に東洋電機製造のIGBT素子VVVFインバーター化改造され、京葉車両センターに転属、2020年まで活躍しました。

側面ドアの窓が小型ですので武蔵野線に転用される前は、初期に山手線用に製造された205系前期型です。

Manggarai駅でCikarang線に乗り換えます。Cikarang線のホームで反対側のホームに来た205系の先頭車連結の部分です。左側は側面ドアの窓が大きく、右の車両はドアの窓が小さいことが分かります、

先頭車連結している側面ドアの窓が小さい車両はクハ205-30であることがこの写真から分かります。クハ205-30は1986年 川崎重工で製造され山手線に導入されました。2003年に山手電車区から鎌倉総合車両所へ転属、2014年まで横浜線で活躍した車両です。

Cikarang線の元JR東日本 モハ205-247に乗車しました。国鉄分割民営化後の1989年に川崎重工で製造され、川越電車区に配置、埼京線・川越線用で2013年まで活躍しました。

モハ205-247は、側面ドアの窓が大きい後期型です。

車内にはモニターが取り付けられ、まだまだ活躍する事が期待されます。

Sudirman駅で下車しました。

乗車した205系を見送ってから改札を出ます。
Sudirman → Juanda(2024年1月27日)

宿泊したホテルの最寄り駅、SudirmanからJuandaまで電車で移動しました。まずは反対側のホームに来た205系です。

昨日同様、Cikarang線でSudirman駅から1駅、Manggarai駅へ移動します。元JR東日本 モハ205-57に乗車しました。国鉄分割民営化後の1985年に近畿車両で製造され、山手電車区に配置、山手線で2002年まで活躍しました。2002年より中原電車区へ転属、南武線で2015年まで活躍しました。

モハ205-57は、側面ドアの窓が小さい、国鉄時代に製造された前期型です。

Manggarai駅に到着したモハ205-57です。

Manggarai駅からBogor線でJuanada駅まで乗車します。千代田線で使用されていた元東京メトロ6000系です。

元東京メトロ6919です。2次量産車で1972年に近畿車両で製造された車両です。千代田線代々木公園延伸開業の際に増備されたグループです。2017年廃車、インドネシアに譲渡されました。

側窓が小さめの比較的初期タイプの6000系2次量産車の内装です。

帝都高速度交通営団のマークが入った扇風機です。2004年に東京メトロに移行されこのマークは消えましたが、現在のマークより地下鉄らしくお気に入りです。できることなら自宅の扇風機のカバーをこのカバーに交換したいです。

Juanda駅で反対側のホームに来た元東京メトロ6000系です。昨日乗車した6129編成です。

比較的新しい6000系5次量産車で、側窓が大きい事がわかります。
Juana → Sudirman(2024年1月27日)

Juana駅からMaggarai駅に向かうのですが、一旦逆方向のJakarta Kota駅に向かってみます。元JR東日本の203系100番台に乗車しました。

203系100番台の行き先表示の字体が太いです。

薄く「東マト」の表示が残っています。203系100番台が所属していた松戸車両センターの略称です。

平成21年(2009年)に東京総合車両センターで全般検査が行われたという事だと想像します。

Jakarta Kota駅で203系100番台と205系の並びです。

こちらもJakarta Kota駅でのショットです。

モハ203-116の車内です。

モハ203-116は、1985年に日本車輌で製造された車両です。量産2次車100番台は量産1次車と外見で分かる違いは軽量ボルスタレス台車です。初期の0番台の台車と比較し部品点数が減り保守も容易、コスト削減にもなりました。2011年まで常磐緩行線・千代田線直通で活躍しました。

車内の様子です。国鉄は203系から戸袋窓を廃止し、末期の国鉄車両を見てコスト削減の波が押し寄せていたのだなと思わざるを得ませんでした。

203系はアルミ製車両ですが、側面ドアもアルミ製です。ドア開閉の際にアルミの軽い音がするのが特徴的です。

Jakarta KotaからMaggaraiへの戻りは元JR東日本のモハ205-66に乗車しました。1986年、近畿車両製造です。2002年まで山手電車区所属、山手線で活躍しました。2002年から中原電車区へ転属、2015年まで南武線で活躍しました。

モハ205-66は、側面ドアの窓が小型ですので国鉄時代に山手線用に製造された205系前期型です。
Dukuh Atas BNI → Bundaran HI(2024年1月27日)

Sudirmanからジャカルタ都市高速鉄道南北線を1駅だけ乗車します。

2018年日本車輌製造ということが分かります。

窓配置などの雰囲気からして日本のメーカの製造だろうということが想像できる内装です。地下区間のみの乗車で外観を撮影できなかったのですが、こちらの日本車輌のホームページに外観や諸元の記載があります。
おわりに
私の4段階リピート評価は下記の通りです。
| こちら→ | ★★★ | 素晴らしい、リピート確定 |
| ★★☆ | また来たい | |
| ★☆☆ | 普通 | |
| ☆☆☆ | 微妙 |
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